グラスホッパー ― 2015/11/28 06:07
ということで、先日、小説を読んだ「グラスホッパー」の映画を観てきた。
ん~、正直を言わせていただくと、原作をベースにした別のお話ですね。どっちが好きかと聞かれたら、小説かな。自分は、小説の中で、鈴木と、鯨と、蝉が微妙な偶然で繋がっていくところが好きなので、悪者の寺原ありきの映画はちょっと、どうかなぁと...。
いちいちあげつらうのは何なのですが、いくつか自分がちょっとどうかなぁと思ったところ、
1)演出がくどいというか、演技がクサ過ぎます。普通の人の鈴木と現実感の無い殺し屋たちって感じを出したいのかも知れませんが、自分には、鼻をついてしまいましたね。特に、寺原親子(石橋蓮司さんと金児憲史さん)と岩西(村上淳さん)がね、ちょっと自分にはダメでした。
2)1に繋がっちゃうんだけど、発信機と黒猫のエピソードちょっと要らないんじゃないかなぁ。原作はもっとナチュラルな感じなのに、なんか、安っぽい探偵ものみたいになっちゃってる。
3)寺原を追っているメンバーが露出しすぎ。原作の「えっ、そうだったんだ」ってところが思いっきり削がれちゃってます。寺原が押し屋に押されるところから出ちゃってるし、槿(あさがお)が鈴木を家の中から見るシーンは余計だったんじゃないかなぁ。あと、暗殺者役の女の子も自分からすると出すぎだな。
4)指輪のエピソードは演出家のアイデアなのかな?これも、余計だったように思います。これ深読みすると、最初の事故も仕込って事になるので、普通、最後にあそこで泣けないよね...。
ダメだしするだけじゃなくて、良いところも。蝉役の平成JUMPの山田涼介さんの演技とアクションシーンはみるべきものがありますね、子供っぽいところと殺人者の狂気の部分の表現、ちょっと危ない青年(少年?)の演技良かったもんね。あと、さすがダンスで鍛えてるだけ合ってアクションがキレキレ、山田さんをみるためだけに観てもいいかも。あと、鯨役の浅野忠信さん、さすが演技派です。「47RONIN」のときはがっかりしたんですけどね、この映画はいいんじゃないですか、コミカルとシニカルを同時に表現できているところ、殺し屋なので、もっと、ニヒルな感じの演出かと思いきやこうきたかって感じ。そうか、この二人への演出で力尽きちゃったのかな...。あぁ、鈴木役の生田斗真さんは肩の力が抜けた感じでよかったですよ。ん~、結局、この3人のプロモーションビデオみたいな感じだな。
これ、角川映画だから、「読んでから観るか?、観てから読むか?」で言ったら、自分のお薦めは後者。
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