トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代 ― 2024/06/06 07:56
世代だからなぁ...。
帰ってきたヨッパライ、悲しくてやりきれない、あの素晴しい愛をもう一度、ベッツィ&クリスの白い色は恋人の色、CMソングの家を作るなら...昭和40年代、子供だった自分もいい曲だなぁって思って歌ってたもんね。で、バンドをやるようになってサディスティック・ミカ・バンドを聴いて、やっぱ凄い人だなって思ってたんだよね。
歌だけじゃなくて、そのライフスタイルやファッションも子供心にカッコいいなぁって思ってた。
その加藤和彦さんのドキュメンタリー、発起人が昨年、鬼籍に入られた幸宏さんってこともなんか感慨深い...ということで、観てきました。

とにかく、とんでもない情報量にまず圧倒されました。大量のインタビューを撮ること、アーカイブ映像を集めること、そしてそれらを選りすぐってまとめ上げること、とんでもない作業だったと思います。そんな作り手の情熱が伝わってくる映画でした。まさか、Bittersweet Sambaから始まると思わなかったもんね。
やっぱ映画館で観て正解でしたね。映画館の音響で聴く代表作の数々、その迫力と音像にこれまた、圧倒されました。ベーシストの小原礼さんが絶賛してた、怪傑シルバーチャイルドの幸宏さんのドラムをあの音量と音圧で聴けて、ここにも作り手のこだわりを感じちゃいました。
そして、加藤さんの才能にまた圧倒されましたね。音楽はもちろん(インディーズのはしりだったり、ミカ・バンドの英国ツアーだったり、PA会社の設立だったりね)のこと、ファッションや料理とライフスタイルまで幅広い見識、そして、えっ!あの方とも関係あったの!?って改めて驚く広範な交友関係、マジ、驚かせられることばかり。人生を楽しんで駆け抜けていったって感じなのかなぁ...。
62歳、なんかもったいないなぁ...その後も活躍されていたらどんなことをされていたのか、どんな作品を生んでいたのかって思うとちょっと切ないですねぇ。
初日の初回の回で観たんだけど、自分を含めオジサンにオバサンが多かったけど、日本のミュージシャンにもこんな凄い才能の塊のような方がいたってことで若い人にこそ観てもらいたい映画だと思います。いや、マジ必見ですよ、是非、配信とかじゃなくて映画館の音響で観てもらいたいな。