リバー、流れないでよ ― 2023/07/04 07:09
ヨーロッパ企画の映画第2弾「リバー、流れないでよ」観てきました。
映画第1弾は2分後の未来という話でしたが、今回は2分間の繰り返し、時間ものといえば、サマータイムマシン・ブルースをはじめとしてヨーロッパ企画の得意分野って感じですもんね。それにしても、脚本の上田さんの発想はすごすぎるというか、面白すぎる。ちなみに、ループものといえば、2年前に日清食品さんの焼きそばU.F.O.の宣伝で作られた宮野真守さん主演のショートドラマもありました。あの時は3分でしたけどね。で、今回のロケ地になっている貴船といえば、コロナ禍に行われた配信劇「京都妖気保安協会」の3作目「貴船スターシップ」と同じで、同じく舞台になっている料理旅館は、ミコト役の藤谷理子さんの実家でもあるふじやさんでした。
貴船神社、複雑な構造のふじやさん、ふじやさんの裏を流れる川を効果的に使って、2分間のループを飽きさせることなく魅せるのは、さすが、ヨーロッパ企画の皆さん。そして、ただループを繰り返すだけじゃなく、恋愛要素や人間模様をしっかり魅せるあたりもヨーロッパ企画の真骨頂ですね。
特にミコトとタクの2分間の逃避行は面白かったですし、面白いだけじゃなくてブラックな「死」というテーマをさりげなく入れ込んでくるあたりもさすがって感じでした。そうそう、ロケ中の歴史的な大寒波の雪模様も、普通であれば時系列がつながらなくなるので避けるところを2分間のやり直しっていうループを逆手に取って味方にするのもね。
いずれにしても、今回も期待を裏切らない面白さでした。もう一度といわず何回も観にいきたくなりました。とりあえず、クラファンの返礼品のメイキングDVDは観ないとね、あと、Blu-rayは入手したいと思います。
87分の不思議世界、ぜひ観てくださいな、お勧めの作品ですよ。
銀河鉄道の夜好きなんだよね ― 2023/04/07 07:19
宮沢賢治さん没後90年、その代表作「銀河鉄道の夜」をベースにした、劇「たぶんこれ銀河鉄道の夜」を観にいってきた。
宮沢賢治さんの作品、好きなんだよね。文庫本を集めて読んだし、その作品を原作にしたアタゴオルのますむらひろしさんのマンガも読んでますもんね。一番好きな作品は「グスコーブドリの伝説」なんだけど、この「銀河鉄道の夜」も好きな作品の一つ。
その「銀河鉄道の夜」をベースに、これまた大好きな劇団、ヨーロッパ企画の上田誠さんが新たな脚本を書いて演出をした「たぶんこれ銀河鉄道の夜」、期待しかないですよね~。
期待通りの作品でした。上田さんですからね、基本はコメディ、そして、現代の世相も反映しつつ、伏線張りまくりで、ベースの作品を知っていて次の展開がわかっていても、ムチャクチャ楽しめる作品でした。一緒に観た奥様は、原作を読んでいなかったけど「楽しかった」って言ってたからね。もちろん、原作を知っているものとしては、オリジナルのセリフを踏襲したセリフや歌とか、原作のシーンや、キャラクターの登場とか涙ものでした。もちろん、観客の想像を超える人物の登場があったり、もう、お腹いっぱいな劇でした。楽しいコメディだけど、最後はちょっとホロっとさせたりね、上田さんの脚本はホント面白いと思います。
出演されている演者さんたちの芸達者ぶりも楽しめました。長回しのセリフや、ヨーロッパ企画さんといえばの早着替えによる一人複数役はもちろんのこと、歌にラップにダンスと2時間があっという間でした。ヒロインの久保田沙友さんと田村真佑さん(この方、乃木坂46の方なんですね)はカワイかったし歌も上手だったし言うことなしですね。男性人もみな言い味を出してましたが、特にかもめんたるのお二人はよかったです、さすがキングオブコントで優勝するだけあります。岩崎う太さんが自分は印象的でしたね。そうそう、藤谷理子さん、歌上手でしたね、前に観た「九十九龍城」でのダンスも上手だったけど、歌も上手でした。もちろん、ヨーロッパ企画のメンバーを始め、若手の男性出演者も良かったですよ...ん~、感動しすぎて、ちょっと語彙崩壊ぎみだな。
ということで、本当に楽しい作品でした。
今回、この劇を見る前に原作を読み直したんだけど、宮沢賢治さんやっぱいいですわ...そういえば、菅田将暉さん主演の映画「銀河鉄道の父」も観にいかなくちゃ。
ドンブラロス ― 2023/03/13 07:26
いや、正直なめてました。
戦隊物って仮面ライダーと比べると色物的な色合いと、ちょっとマヌケな悪者とヒーローが戦って、毎週、倒したと思った敵が巨大化して、それを合体したロボットがやっつけるっていうワンパターンなちょっとチープな子供向け番組って舐めてたんだけど(関係者の皆さんごめんなさい)...この2月に終了した暴太郎戦隊ドンブラザーズにどっぷりはまってしまいました。
確かに、毎週敵が出てきて、倒したと思ったら巨大化して合体ロボで倒すってパターンは踏襲してるんだけど、これまでの戦隊とは明らかに違う設定で、たとえばメンバーの一人が他のメンバーと素顔で顔合わせするのが40話を過ぎているとか(ちなみに全50話ですからね)、メンバーの一人が3回(確か3回だったよね)も敵(ヒトツ鬼っていうんだけどね)になったり、前回の戦隊物のリーダーが謎のヒーロー?で出てたりとか、なんか設定そのものも1年間、毎週観てたにもかかわらず良く分からないまま進んで、最終回でも結局分けの分からないまま終わったっていうシリーズだったんだけど、終わってみたらなんとロスを感じるくらいどっぷりはまってしまいました。
ちなみに、息子に聞いたら一応、最終回で全部の伏線を回収してたっていうんだけど、自分は最後の最後まで、いや、今に至っても良く分かってない状態。でも、なんか離れられなくなっちゃったんだよね。
で、ヒーローショーなんて観に行くことなんて一生無いって思ってたんだけど、番組に出演していた俳優たちも出演するショーってことで、後楽園のシアターGロッソへ「暴太郎戦隊ドンブラザーズショー シリーズ第4弾 招く猫には何来たる?Gロッソは大波乱で大団"縁"!!」を観に行ってきた。
いや、このショーも面白かったですね。45分間と短いショーだったけど3,000円の価値はありましたよ。特に凝ったセットがあるわけでもなく、素顔の出演者たちとマスクを被ったヒーローたち、彼らの体を使った立ち回りと畳み掛けるようなストーリーの進行でギュッと楽しさが凝縮された45分間でした。終演後の挨拶での出演者たちの息のあったというか、仲のよさが伝わってくるやり取りも良かったですね。
この折り紙を折ったり、それを使ったりする演出があったりね(ちなみに、本編をちゃんと観ている人は分かるよね。本編観てなくて、この折り紙について知りたい方は本編を探してみてみてね)。
1年前には、まさか、こんなにはまるとは思わなかったんだよね...番組が終わってマジ、ロスを感じるなんて初めてのことなんだよなぁ。とにかく、行くかどうか悩んだんだけど、これ、観に行ってよかったと思ってる。
一つ前の「キジのおんがえしというおはなし」も観に行っておけばよかったなぁ...。ちなみに、GロッソのYOUTUBEにCMがアップされてるので、一応、リンク貼っておこっと(第一弾、第二弾、第三弾、第四弾)。
本編も全話録画してあるから観なおそうっと、あと、ゼンカイジャーとのVシネも映画館へ観に行かないとな...。
キャンバスアート ― 2022/11/07 07:22
新宿の紀伊國屋書店で四畳半タイムマシンブルースのキャラクター原案を描かれてる中村佑介さんのキャンバスアートの展示がされてたので行ってみた。
四畳半の森見さんといえば、キャラクターデザインは中村さんですよね。四畳半関係以外にも、アニメ映画になった恋せよ乙女のものも展示されてました。
やっぱり、小津はピンでもいいね。彼の毒がこの物語を面白くしてるもんね。
タイムマシンのデザインは1枚目と下の画の2種類、どちらも甲乙付け難いけど、やっぱ1枚目かな。
どれも、いわゆるカラープリントなので2万円程度なので、欲しかったんだけど、家に飾る場所(画を飾って映える場所)が無くて断念。欲しいけど飾れないんじゃねぇ...。
九十九龍城 ― 2022/10/10 07:24
「あんなに優しかったゴーレム」の会場物販で、発売になったばかりの「九十九龍城」のビデオが販売されていたので買っちゃいました。会場で観た劇がどんな感じで映像になっているのかと特典映像を観たくてね。
一度観てるからネタバレしてるけど、やっぱり面白かった。というか、二度目のほうが面白さが伝わったかな...。なぜ一人何役も演じていることが複線になってることとか、こうして繰り返し見ることによって意味がわかってきたりとかね。まぁ、劇場で観たときは設定わかってないからね、というか、その設定が物語のキモだからね。上田さんの脚本は本当によく練られてるというか、複線の張り方が憎いよね。
ところで、劇場で見たときにオープニングのシーンでいまひとつ笑えなかったというか見入っちゃったんだけど、コメンタリー聞いたら、作ったご本人たちはここで笑いが来なかったのが不本意だったみたいですね、いやいや、観ているほうは情報を処理するのでめいっぱいだったんですよ。細かいシーンも多くて、上に書いたように、同じ役者さんが違う役を演じているのも最後の最後までちょっと意味わかってなかったと思うんだよね。これ、ゲームをやりこんでる若者はすぐ理解できたのかも知れないけど、自分のようなおじさん世代は何度も観てやっとわかったからね。たぶん、一緒に観た奥様はまだ理解できてないような機がする。ちなみに、セリフの設定だったり、細かい上田さんのこだわりもコメンタリー聞いてなるほどなって思ったもんね。
特典映像は、「特別番組 Road to 九十九龍城」「ヨーロッパ企画のVlog 出演者たち、九十九龍城を撮る Special Edition」「おまけトークショー」の3本、本編より長い134分というボリューム。トークショー以外は、既出の映像をまとめたもの(Vlogとかね)なので、観たことがあるものでしたが、こうやってまとめて観れるといいよね。一つの劇が生まれて、最終公演を迎えるまでのドキュメンタリーはやっぱ面白い。
それにしても、今回の舞台の作りこみはすごいな...あれを、講演会場ごとに組み立てて、バラしてをやっていくんだもんね。演者さんも舞台が終わった後に、バラしを手伝うのすごいと思います。
ということで、何度観ても面白いぞ、ヨーロッパ企画。
次は、先日観にいったゴーレムのビデオだな。これも待ち遠しいなぁ。