第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会 1回戦2015/02/09 07:27

 秩父宮に行って来た。
 日本ラグビーフットボール選手権大会の1回戦です。
第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会 一回戦
 昨年の1回戦は雪でしたね...。
 昨日も天気予報は雨、入場で並んでいたときは、お日様も出てたのに...試合が始まる頃には、予報どおり雨が降ってきました。ということで、久しぶりの雨の中の観戦でした。

 第一試合 サントリーサンゴリアズ vs 筑波大学
第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会 一回戦
 立ち上がりから10分くらいまでは、筑波大学もよくファイトしていたんですけどね...。12分のサントリーのフルバックの竹下選手のトライからサントリーが怒涛のアタック。結局、後半終了間際に筑波大学が1トライを返すまで、サントリーの10トライという猛攻で試合が終わりました。
第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会 一回戦
 アタックもタックルも、接点での攻防もサントリーのほうが、1枚も2枚も上手でしたね。試合後のインタビューで筑波大学の監督が「何もさせてもらえなかった」といっていましたが、まさしくそんな感じでした。個々では良いプレーもあったんですけど、単発で終わってました。JAPANにも選出された筑波の竹中選手は、さすがに力強い走りをみせてくれたんですけどね、やっぱり力の差がありました。
第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会 一回戦
 一方、サントリーは1.5本目というメンバー。それでも、昨季まで優勝争いに絡んでいたチーム、大学チームとは力の差を見せ付けてました。
 公式戦では、スカルク・バーガー選手の陰に隠れていた同じく南アフリカ出身のジャスティン・ダウニー選手がいい仕事していましたね。アタックもディフェンスも フランカーこうあるべきというプレーを見せてくれました。サントリーは、選手層が厚いですな。あと、久しぶりのライアン・ニコラス選手も後半からの出場でしたがいい仕事してました。
 とはいえ、後半の終盤はちょっと中だるみ気味でしたね。以前のサントリーであれば、最後まで走るっていうイメージだったのですが、昨日はちょっと、足が止まってました。今季はTOP4に残れなかった理由はここにあるような気がします。来季は、かつての強さを取り戻して優勝争いに絡んで欲しいですね。
第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会 一回戦
 サントリーサンゴリアス 62点 vs 筑波大学 7点

 試合後半の精度をアップさせないと、2回戦は難しいと思います。
第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会 一回戦
 後半終了時のNo.8の山本選手のトライに繋がる走りが良かったですね。JAPANの福岡選手が出場していなかったのが残念でした。
第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会 一回戦

 第二試合 NECグリーンロケッツ vs 帝京大学
第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会 一回戦
 赤いジャージが躍動してました。
 今トップリーグのチームから勝利を挙げられる大学のチームは、帝京大学だけだと思います。とにかく、他の大学のチームとは次元が違います。
第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会 一回戦
 今季、トップリーグ10位のNECと一進一退の好ゲーム。
 帝京大学はラインアウトで良いところが無かったのですが、そんなことは気にならないぐらい、アタックもディフェンスもトップリーグのチーム相手に負けていませんでした。普通、ラインアウトの成功率が50%くらいしかないと、攻撃の選択肢も少なくなり、圧倒的に不利なはずなんですけど、そんなことを感じさせないほど帝京大学は力強かったですね。
第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会 一回戦
 特にキャプテンの流選手とスタンドオフの松田選手の瞬時の判断と、攻撃の選択がすばらしかったですね。そしてそれに黙々と答えていく各選手の動き。大学では敵無しの理由がわかります。
 フルバックの重選手も良かったですね、身長は170cmと決して大きくはないのですが、人に強い。花園で常翔学園が優勝したときのメンバーで、そのときの試合を見ていたときも良い選手だなと思って見てました。自分の中ではJAPAN代表候補ですね。
 とにかく、帝京の強さというか、良さが際立った試合でした。帝京大学にもマルジーン・イラウア選手というニュージーランド出身の選手がいるのですが、その選手が目立たないくらいすべての選手がよくファイトしてました。
第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会 一回戦
 一方、NECは精彩を欠いてました。キャプテンの瀧澤選手はディフェンスで、前キャプテンのニリ・ラトゥ選手はアタックで、JAPAN代表の田村選手は的確なキックで活躍していたのですが、塊としての強さが見られませんでした。普通、ラインアウトであれだけ有利に試合を進めていれば、もっと楽にプレーできるはずなんですけどね...。トップリーグのレギュラーシーズンでもそうだったのですが、トライをとる、得点を挙げるパターンが確立されていないところが露呈してしまいました。帝京大学のほうが自信をもってプレーしていて、NECのほうがあせって落ち着いたプレーができていないというのが手に取るようにわかりました。
第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会 一回戦
 ちょっと、遠かったのですが、下の写真でもそれぞれのチームの対照的な感じが伝わると思います。NECとしては僅差で試合を進めて、最後に突き放すという作戦だったのだと思いますが、結局、帝京に自分たちがやろうとしていたことをやられてしまったという結果になってしまいました。試合を見ていて、何度か点差をつけられるチャンスをプレーの選択やミスで自ら潰してしまったように思います。
第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会 一回戦
 記念すべきスコアボード。大学チームがトップリーグのチームに勝ったのは9大会ぶり、早稲田大学がトヨタ自動車を28対24で破って以来の勝利です。トップリーグもそのときよりレベルアップしているはずです。帝京大学もそれにあわせて強くなってきたということですね...岩出監督、恐るべしですな。
 帝京大学は大学リーグではなく、トップリーグに入ったほうが日本のラグビー界のレベルアップになるかもしれない、なんて、本気に思います。
第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会 一回戦
 NECグリーンロケッツ 25点 vs 帝京大学 31点

 うれしそうですね。来季の7連覇もいけそうですね。
第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会 一回戦
 うなだれていたラトゥ選手とそれを慰めていた田村選手が印象的でした。
 9大会前といえば、NECは、トヨタ自動車を破った早稲田大学に勝った東芝と同点優勝だったんですよね。その前の年は優勝でした。来季はがんばって欲しいですね。
第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会 一回戦

 さて、名古屋の瑞穂公園ラグビー場で行われた残りの2試合は、神戸製鋼コベルコスティーラーズ 76点 vs 慶應義塾大学 7点、東芝ブレイブルーパス 59点 vs 東海大学 12点という結果でした。ということで、次の日曜日の秩父宮では、サントリーサンゴリアスと神戸製鋼コベルコスティーラーズ、東芝ブレイブブルーパスと帝京大学という組み合わせでになりました。帝京が東芝の痛いプレーにどこまで対抗できるかが肝ですね。来週も楽しませてもらいます。