春がいっぱい / Spring Is Nearly Here2016/01/03 11:02

 「新春」だから...って事でもないんですけどね。

 昨年末発売になった、大村憲司さんが亡くなられた年の春のライブを収録したCDと一緒に買った「春がいっぱい / Spring Is Nearly Here」。ずーっと、探してたんだけど、やっと手に入れられた。
 時は1981年、憲司さんがYellow Magic Orchestra (YMO)のワールドツアーに参加した翌年に発売されたアルバム。もちろん、YMOの三人に矢野顕子さんも参加してます。前作でハービー・メイソンさんプロデュースでフュージョン色の強いのソロアルバム「KENJI-SHOCK」とは、うってかわって、POPで明るいロックのアルバム、イメージ一新って感じです。
春がいっぱい / Spring Is Nearly Here
 当時の音を象徴するテクノポップを、憲司さん流に味付けした音が詰まってます。前作では1曲だった歌ものも、今回は10曲中5曲。フュージョンっぽいアプローチより、こういったPOPな曲が本当は好きだったのかもね。それとも、やっぱり、時代なのかな?
春がいっぱい / Spring Is Nearly Here
 この後の、「外人天国」はもっと、大人のロックの装いで、自分はこのアルバムのほうが好きかも、「外人天国」ちょっと、暗いんだよね、自分のイメージでは、決して悪くはないと思うんだけど、このアルバムや「KENJI-SHOCK」のほうが聞きやすいと思う。
春がいっぱい / Spring Is Nearly Here
1. Intensive Love Course
 憲司さんのオリジナル。いきなり、POPで弾んだインストゥルメンタル。様々なギターの音を楽しめます。
2. Under Heavy Hands And Hammers
 矢野顕子さんのピアノのイントロで始まる、スローバラード。70年代のロックの香りがプンプンする曲。ボーカルがまた曲にぴったりはまってる。クラプトンのアルバムに入っていても違和感ない曲ですね。泣きのギターソロがかっこよすぎです。
3. Seiko Is Always On Time
 坂本龍一さんの曲みたいだって思って聞いてたら、憲司さんと教授の共作でした。教授のソロアルバムに入っててもおかしくないかも。
4. Far East Man
 ビートルズのジョージ・ハリソンさんとローリングストーンズのロン・ウッドさんの共作。1974年のジョージのソロアルバム「ダーク・ホース」に収録されてます。もちろん、ロンさんもソロアルバムで取り上げています。
 オリジナルに近いアレンジですが、Bメロのリズムのレゲエ感がより強くなってるように思います。この曲もそうだけど、オブリガードのフレーズや、コードカッティング、裏で鳴ってるロングトーンのフレーズとか、とにかく、ギターの音の重ね方がにくいほどかっこいいです。
5. Knife Life
 憲司さんのオリジナル...ロックしてます(笑。いくつかのコードワークというかバッキングを何層にも積み重ねているところ、前の曲同様、かっこよすぎます。アレンジの懲りよう、ただのPOPなアルバムじゃないです。
6. 春がいっぱい / Spring Is Nearly Here
 ベンチャーズと並ぶギターインストゥルメンタルバンドのシャドウズの名作。ライブでもいろんなアレンジで演奏されているけど、この、オリジナルに近いアレンジが自分は好き。憲司さんのやさしい人柄が音に表れていると思う。 
7. The Defector
 高橋幸宏さんの曲。幸宏さんの曲は、POPでかわいらしいメロディーのイメージなんだな、自分には。憲司さんの声はブルースのイメージなんだけど、この曲には、はまってると思う。
8. Inaudible
 YMOのアルバム「BGM」に収録されている「UT」みたいなドラムのフレーズの曲。あの頃のYMOの音に近いアレンジの曲ですね。この曲はPOPじゃない。
9. Maps
 高橋幸宏さんの曲。YMOのワールドツアーでも演奏していた曲。自分は憲司さんの曲だとずーっと思ってた。アルバムの曲を聴くと幸宏さんの曲って言われても納得。YMOのライブのほうがずーっとハードでへビィなアレンジだと思う。
10. The Prince Of Shaba
 「春がいっぱい」、同様にギターインストゥルメンタルの曲。もちろん憲司さんのオリジナルなんだけど、シャドウズやベンチャーズの曲といっても分からないかも。いろんな音のギターが聞けるかわいらしい曲、ちょっと、サーフィンミュージックっぽくもあるね。
 1曲目と6曲目の「春がいっぱい」とこの曲でサンドイッチになってるんだね、このアルバム。
春がいっぱい / Spring Is Nearly Here
 ライナーノーツの最後に、直筆で書かれた「This album is dedicated to my wife Seiko」の文字...憲司さんの人柄が感じとれます。

 生きていたら66歳、一体どんなギターを聞かせてくれたんでしょうか...渡辺香津美さんやCharさんがまだ現役で演奏されているのをみると残念でしょうがありません。でも、こうやって、当時の憲司さんにあえる僕たちは幸せなのかも。

 リストアで消えたファイルですが、ファイル復旧ソフトで何とかこちらもリストアできそうです。でも、時間がかかるのと、大事なファイルがリストアできるのかが心配。

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