深海生物学への招待2016/04/28 07:13

 昨年も沼津の深海水族館に行ったけど、この手の生き物嫌いじゃないんだよね。で、以前ダウンロードしてた本を読んだ。

 広島大学の教授、長沼毅さんが20年ほど前に書かれた本。当時は今ほど、深海生物ってメジャーじゃなかったような気がする...。
深海生物学への招待
 さまざまな深海にすむ生物や、深海に向かうための潜水艇のことが書かれていますが、本書の大部分を占めるのは、光合成のできない光の届かない深海で、硫化水素から有機物を化学合成する細菌を体内に共生させているチューブワームの話題。生のチューブワームみてみたいですねぇ。まぁ、自分は生き物について触れられている第二章の方が好きなんですけどね。

 自分はもともとこの手の話題が好きなのですが、科学者の書く本っていうと、科学的な記述がメインで、いまひとつな場合が多いんだけど、長沼さんの文章はとても読みやすい。文章にちりばめられた新旧作家の文章の引用も効果的で、ご本人の読書好きが伝わってきます。
 あと、20年前の本なので、新しい発見や事実もあるため、3年前に文庫化されるときに加筆、訂正されたそうです。

 宇宙も良いけど、地球の7割を占め、最深10,920m、最も高い山がエベレストで8,848mなので、それよりも深い場所までも広がる海、夢がひろがりますねぇ、新しい、生物の発見とかね。

 読みやすかったので、長沼さんの最新の著作も読んでみようと思う。