昆虫こわい2017/09/25 07:03

 やっぱ、生き物好きだなぁ。

 九州大学の丸山宗利先生のご自分が研究されている昆虫の採集記。現代版「ファーブル昆虫記」みたいな感じですね。サバクトビバッタの前野ウルド浩太郎さんの「バッタを倒しにアフリカへ」に引き続いて生き物つながりってことですな。
昆虫こわい
 丸山先生は、アリと共生する好蟻性昆虫のハネカクシの研究をされています。ハネカクシって名前は知っていたのですが、写真を見るのは初めてだったかも。カブトムシなどと同じ甲虫の仲間なのに、姿かたちはアリかハサミムシのよう。しかも、すべて同じルーツではなく、様々な種類のものが別々に同じような形態に変化していったという収斂進化をしているってこと興味深かったですね。有名な収斂進化ってオーストラリアの有袋類(カンガルーとかお腹に袋のある生き物ね)の形態が、オーストラリア以外の地域の生物と同じような形態に進化しているっていうやつです。例えば、フクロオオカミとか、フクロモモンガとか...それ以外にも、モグラの前足と、昆虫のケラの前足が似てるとかですね。あと、アリと共生しているっていうと、アリマキとアリの関係が有名ですが、ハネカクシ以外にハエなどたくさんいるんですね。また、それぞれに研究している学者がいるっていうのも面白かったです。
 丸山先生、ハネカクシ以外にも奇妙な形の角を持ったツノゼミの研究もされてます。ツノゼミ、不思議な生き物ですよね。どう考えてもあの角、意味があるように思えないもんなぁ...。ツノゼミってカメムシ目の昆虫で、セミやヨコバイに近い近い昆虫。姿かたちはセミに似てるのですが、不思議な形の角を持っていて、実物を見てみたい昆虫の一つです。世界に3200種類もいるってのに、日本には16種類しかいないってのも、みてみたい心を揺さぶりますな。
 
 ということで、自分は生き物好きなので(大学で勉強してましたからね)、楽しく読めました。とはいえ、フィールドはね、丸山先生みたいにはできないよなぁ...。だから、切り刻む系の勉強してたんだけどね。

 丸山先生の他の本も読んでみようかな...と。