シェイプ・オブ・ウォーター2018/04/13 07:10

 先日観たギレルモ・デル・トロ監督の「シェイプ・オブ・ウォーター」のノベライズ小説を読んだ。
 映画を観てから読むか、読んでから観るかってよく言うけど、自分はこの作品で言えば、観てから読むかな。映画では描写し切れていなかった、細かい情景や心理状況がしっかり書き込まれて、あのシーンの意味はそうだったのかとか、そういう伏線があってあのシーンだったのねっていうのがわかって面白かったです。
シェイプ・オブ・ウォーター
 映画では描写されなかった、半漁人の捕獲のエピソードや、ストリックランドの奥さんのレイニーのエピソード、そして主要登場人物との意外な繋がり、これって映画に盛り込まれても良かったんじゃないかと思った。あと、ジャイルズの性癖のこともね。映画だとパイ屋での店員とのやり取りでそれっぽいところがあっただけで、そこまではっきりと表現されてなくて、ジャイルズが広告代理店をやめなくちゃならなかったのは、絵の才能がなかった、あるいは、写真に取って代わられたからとしか読み取れなかったけど、小説ではそこのところがもう少し掘り下げてあった。これって、ゼルダのエピソードも含めて、映画でも時代背景をもう少し表現できたんじゃないかなぁ。

 この小説と映画の映像でセットで楽しみたい作品です。映画の映像は必見ですし、小説単体での作品としても面白いのですが、映画を補完するという意味でもよくできていると思います。映画を観た方には絶対お勧めです。

 ところで、映画を観る前にタワーレコードで、この映画の設定本の「ギレルモ・デル・トロのシェイプ・オブ・ウォーター 混沌の時代に贈るおとぎ話」を見かけたんだけど、お値段3,800円、限定3000部だったんですね。これも読んでみたいけど、どうしようかな、買おうかな。