トップリーグカップ2019 プール戦 第5節 サントリーサンゴリアスvsパナソニックワイルドナイツ2019/07/22 07:05

 秩父宮に行ってきた。

 前節で日野レッドドルフィンズに勝利したサントリーサンゴリアスと、今季試合を初観戦のパナソニックワイルドナイツ。サントリーは前節、いまひとつピッとしていなかったので、この一週間で、プール戦の優勝をかけた一戦に向けてどこまで仕上げてきているかに注目していました。一方のパナソニックは、大量の選手の入れ替えがあったので、どのようなチーム作りをしているかに興味がありました。
トップリーグカップ2019 プール戦 第5節 サントリーサンゴリアスvsパナソニックワイルドナイツ
 サントリーは前週より明らかに仕上げてきてましたね。しかも、パナソニック戦のせいかかなり気合が入ってました。
 スタンドオフのマット・ギタウ選手を軸にポイントからのすばやい球出しで攻撃を組み立ててましたし、ディフェンスも外国人を7人擁するパナソニックのアタックをしっかりと止めてました。勝負をかけて前に出ると言うのではなく、綺麗なディフェンスラインを形成してそこからは一歩も進ませないという感じの気迫のこもったタックルで、パナソニックの突進を止めてましたね。サントリーは何が凄いって選手のリロードのスピードが凄い、寝ている選手はほとんど見られませんでした。
トップリーグカップ2019 プール戦 第5節 サントリーサンゴリアスvsパナソニックワイルドナイツ
 一方のパナソニックも負けてません。サントリーのすばやい球出しにもかかわらず、オフサイドもなく、よく止めてました。まぁ、この部分はサントリーも一緒なんですけどね。あと、サポートも凄い、ポイントでボールに絡まれてノットリリースになるような場面はありませんでした。もちろん、タックル後にホールディングになるような場面もなく、とにかく、両チームともボールを動かす意識の高く質の高い試合でした。
トップリーグカップ2019 プール戦 第5節 サントリーサンゴリアスvsパナソニックワイルドナイツ
 この日の見ものは、パナソニックの山沢選手とサントリーのギタウ選手のスタンドオフ対決でした。プレースタイルは違うものの、どちらもファンタジスタぶりを遺憾なく見せ付けてくれました。パナソニックの前半の2本のトライはいずれも山沢選手の技ありのキックからのもの。とにかく、ランもキックも”天才”といっても過言ではないプレーを何度も見せてくれました。
トップリーグカップ2019 プール戦 第5節 サントリーサンゴリアスvsパナソニックワイルドナイツ
 一方のギタウ選手は、状況判断が凄すぎ、キック、パスともに、すばやいサントリーの攻撃の中で瞬時に相手の陣形を読んで試合を組み立ててくる、そしてそのプレー選択が間違っていないと、この方のプレーも"天才”のものでしたね。ジョーダン・スマイラー選手のトライに繋がるパスのタイミングなんて見ていて痺れました。
 あっ、そうそう、ギタウ選手はペナルティのポイント前に持っていくよね。後半10分のペナルティゴールのとき、レフリーが示したポイントからズルズルと5mくらい、ゴールに近寄ってたもんね。目の前で見てたからよく分かった。その次のときは、ほんのちょっとだけど、キックティーをセットするときに3回くらい調整するふりして前に出してた。ん~、勝利に対する執念ってことなんかなぁwww。
トップリーグカップ2019 プール戦 第5節 サントリーサンゴリアスvsパナソニックワイルドナイツ
 この日の試合は、日本代表のスコッドから外れた選手が活躍してました。サントリーは西川選手、パナソニックは内田選手の動きがよかったですね。西川選手はやっぱり人に強いし、リロードのスピードも速いし、ホントにいい選手だと思います。とにかく、接点と言う接点に顔を出しているって感じるくらい動いてましたね。
トップリーグカップ2019 プール戦 第5節 サントリーサンゴリアスvsパナソニックワイルドナイツ
 内田選手は、パスのタイミングが少しずれるというか、間が空くことがあったのですが、この日のプレーはキレがあってよかったですし、攻撃のテンポもよかったと思います。後半28分に高城選手と交代しちゃったけど、そのまま、プレーしてもよかったんじゃないかなぁて、思うくらいこの日はいい動きでした。
トップリーグカップ2019 プール戦 第5節 サントリーサンゴリアスvsパナソニックワイルドナイツ
 パナソニックはルーキーの竹山選手もよかったですね。帝京大学時代より、体が大きくなったんじゃないかなぁ。キレキレのランで、何度もサントリーディフェンスを翻弄していたし、キックも距離のある正確なキックを何度も魅せてくれてました。圧巻は、後半のペナルティからの、リスタートでのキックパス。長いことラグビー観戦してますが、あんなプレーは初めて見たかも。左サイド際のポイントから逆サイドへのキックパス。ドンピシャのキックで、しかもサントリーの選手は虚を突かれて、その後の攻撃にも効果的でした。竹山選手、JAPANも狙って欲しい若手ですね。
トップリーグカップ2019 プール戦 第5節 サントリーサンゴリアスvsパナソニックワイルドナイツ
 とにかく、息が詰まるような攻防が繰り広げられる質の高い試合でした。トップリーグのチームがみんなこんなプレーをするチームだったら日本のラグビーの質も向上するんじゃないかなぁ。
トップリーグカップ2019 プール戦 第5節 サントリーサンゴリアスvsパナソニックワイルドナイツ
 23対19 トライ数はサントリー2本、パナソニック3本、なのに、パナソニックは最後、1トライを奪わなければ逆転できないと言う展開。競った試合になると、ペナルティとゴールキックが重要になるんだよね。

 チームとしては、サントリーの方が上だったって感じですね。優勝した頃のような、一つのチームになるともっと強くなるかも。
トップリーグカップ2019 プール戦 第5節 サントリーサンゴリアスvsパナソニックワイルドナイツ
 やっぱり、サントリーは強い。チームとしての決め事と、個の強さ、速さがすばらしい。チームとして出来上がってるって感じが伝わってくるね。
トップリーグカップ2019 プール戦 第5節 サントリーサンゴリアスvsパナソニックワイルドナイツ
 
 ところで、この試合、前半はよかったんだけど、後半はTMOが多かった。危険なプレーを確認するっていうのがその理由だったんだけど、ちょっと、多すぎたと思う。なんて思ってたら、試合を終えたパナソニックの笹倉選手がそのことtwitterでつぶやいてた。
トップリーグカップ2019 プール戦 第5節 サントリーサンゴリアスvsパナソニックワイルドナイツ
 「もうなんでもかんでもTMOやめてほしいっす。レフリーが自信持ってやってほしい。俺らはそれに従えば良いだけのこと。変にいい流れを止めて欲しくない。」確かに、レフリーが自身持ってやって欲しいよね。TMO、あまりに危険なプレーがあったときだけにして欲しいよね。Super Rugbyなんて、選手が傷んでしまう危険なプレーでもスルーするときあったもんね(グレッグ・ミラー選手やエドワード・カーク選手の怪我のときね)...悪い流れ(反則が続いてしまうとかね)の時には有効だと思うけど、良い流れで試合が進んでいるときには逆効果なんじゃないかなぁ...。