プレシーズンマッチ クボタスピアース vs HONDA HEAT ― 2020/12/15 07:49
江戸川陸上競技場へ行ってきた。
先週末の土曜日、このスタジアム(?)をホームとするクボタスピアーズとHONDA HEATのオープン戦を久しぶりにスタジアムで観戦。調べてみたら、コロナウイルスの影響でトップリーグと、SUPER RUGBYのSUNWOLVESの公式戦がシーズン途中で中止になって以来294日ぶりでした。以前は、オープン戦も各チームのグランドで観戦できたのですが、やっぱりこれもコロナウイルスの影響で無観客で行われていて、SNSでの動画配信で観戦してたんだけど、やっぱ、スタジアムでの生観戦に勝るものはないですよね。
このイベントの企画をして、運営をしてくれたクボタの関係者の皆さんに感謝です。
クボタのキックオフで試合開始。キックの音、選手達の声、ピッチを走る選手の足音、現場じゃないと聞けない音、これを待ってたんですよね。
ここまで、積極的にオープン戦を行ってきた両チーム、クボタは、釜石の鵜住居復興スタジアムでの釜石シーウェイブス(73-12で勝利)、キヤノンイーグルス(43-19で勝利)、リコーブラックラムズ(17-41で敗戦)、宗像サニックスブルース(60-26で勝利)と4戦3勝1敗と好成績、一方のHONDA HEATは、ヤマハ発動機ジュビロ(24-43で敗戦)、宗像サニックスブルース(21-31で敗戦)、パナソニックワイルドナイツ(36-29で勝利)、三菱重工相模原ダイナボアーズ(10-33で敗戦)と同じく4戦して1勝3敗と負け越してます。とはいえ、パナソニックに勝利したのは大きいですよね。
ということで、前半から飛ばしてたのはHONDA HEAT、攻撃のラインスピードはいい感じでした。前半7分の先制トライも切り返しから綺麗にライン展開、ウイングの尾又選手まで綺麗にボールが渡って、最後はセンターのトレビー選手がトライ。この後も何度もスピードに乗った攻撃を繰り返してました。
ディフェンスも前に出るタックルでクボタの攻撃を抑えてました。目立ってたのは、この日フルバックに入っていた今季新加入のニュージーランド代表キャップを持つマット・ダフィー選手、パントキックのチェイスでボールをキャッチしたクボタの近藤選手に強烈なタックルを浴びせたり、後半では、クボタのキャプテンの立川選手にドンピシャのタックルを決めたりと、さすがオールブラックスというプレーを見せてくれました。
一方、クボタはフワフワした感じで、要所ではいいプレーもみられたのですが、ちょっとピッとしてなかったですね。HONDAに一本トライを取られた後、13分にトライを取り返して、その後16分にHONDAがトライを取ってから、HONDAのペナルティで何度もゴール前まで行くのですが、この後20分は横着した状態に...。得意のモールも上手く押せなくてなかなかゴールを割ることができませんでした。バックスのラインもHONDAの前に出るディフェンスを上手く崩すことが出来てませんでしたね。
35分にやっと、ゴール前のペナルティからのラインアウトで綺麗なモールを押し込むことが出来てトライ。このモールは綺麗でしたね、自分はクボタの教科書どおりの美しいモールが好きですね。
ここで、取れたのが大きかったと思います、後半のクボタ、動き違いましたからね。
ということで、前半は、それぞれトライ2本、ゴール2本の14点をとって同点で折り返し。このときは、後半もこのまま競った試合になると思ったんですけどね...。
後半、立ち上がりから動きが良かったのはクボタでした、明らかにHONDAは押されてました。特に目立ったのはオーストラリア代表のライアン・クロッティ選手。ルーズボールにもすばやい働きかけでボールを獲得してましたし、力強いランでディフェンスラインの裏に出てましたし、随所に体を張ったプレーでチャンスを作ってました。孤立することもあるけど、しっかりボールをキープしてました。クボタの他の選手は一人抜けた後、孤立してペナルティになたりターンオーバーされる場面が多かったのですが、クロッティ選手は違いましたね、さすが、ワラビーズです。
クボタは、この一人抜けたときのチャンスをいかに生かすかが、課題のような気がしました。バックスやバックローに突破力のある選手がいて、この日も何度かそういうシーンが見られたので、上手くつなげられると楽に得点できると思います。
フォワードでは、後半に出場した天理大学出身の岡山選手とファウルア・マキシ選手が目立ってました。岡山選手は身長168cmと大きくないですが(というか、大男が多いフォワードの中にいると、ひときわ小さく見えます)、スピードのある力強いプレーを何度も見せてくれました。そういえば、天理大学時代もサイズを感じさせないいいプレーを見せてましたもんね。マキシ選手は逆にサイズを生かしたパワーにプラスしてスピードもあって、何度もチャンスを作ってました。
ホント、バックローにいい選手がいるので、シーズンが楽しみです。
ということで、クボタは14分、18分、31分と三連続トライ。HONDAは、前半と違って動きがいまひとつでした。というか、クボタのエンジンがかかったって感じかな。
HONDAも36分にトライを一本返したんだけど、クボタの勢いを止めることが出来ませんでした。ここまでのプレシーズンマッチも後半に崩れちゃう試合があったので、ここが課題かな。
そうそう、HONDAはフォワードにいい選手がいますね。フランカーの南ア出身のポール・スクーマン選手、同じく南ア出身のプロップのマティウス・バッソン選手の二人は攻撃、ディフェンスともに活躍してました。
クボタは終了間際にもトライを追加したところまではよかったのですが、最後の最後で岡田選手の不用意なパスを尾又選手にインターセプトされてトライを取られちゃったのが余計でしたね。
結果、42対28でクボタが勝利しました。
両チームともゴールキックを全部決めてるのが凄いですね。フォーリー選手は結構難しい角度のゴールも決めてましたから。世界はゴールキックで試合決まることが多くて、以前は、日本ではトップリーグでもゴールが決まらない試合多かったけど、2015年ワールドカップの五郎丸選手の活躍からやっぱ変わりましたよね。
そういう意味で、リーグのレベルは確実に向上していると思います。
両チームとも課題が見えた試合だったと思います。シーズンスタートまで約1ヶ月、どこまで修正できるかに期待ですね。
それにしても、楽しかったな。声援を送ることは、まだ出来ないけど、拍手や手拍子で応援する新しい形出来つつあるもんね。
やっぱ、生観戦に勝るものは無いな。