Bringing It Down to the Bass / Tony Levin2024/09/26 07:10

 自分のTony Levinさんの初体験は渡辺香津美さんのTOCHIKAでした。ユニコーンで聴けるMarcus Millerさんのカチッとしたベースも好きだけど、Cokumo Islandのフレットレスベースのフレーズとサムピングがカッコよかったですよね。で、カッコいいベースを弾くオジさんだなって思っていて、きっと、フュージョン系のベーシストなんだろうなって思っていたら、次にお会いしたのが、なんとKING CRIMSON!?例のElepahnt Talkで聴けるSTICKでした。フュージョンだけじゃないのね、ロックもできて、ベースだけじゃなくてSTICKも弾くのねってビックリしたんだよね。で、次はPeter GabrielさんのSledgehammer、ミュージックマンのスティングレーベースを弾く姿もカッコ良かったですよね。

 で、1990年には、復活したYESの対抗バンドAnderson Bruford Wakeman Howeの(対抗って言ってるけど、Jon Andersonさんは両方のバンドで歌ってるんだよな)来日公演で生で演奏する姿を拝見するに至りました。あの時、指にドラムスティックみたいなパーツをはめて、速弾きしていたのが印象的でした。
Bringing It Down to the Bass / Tony Levin
 で、そのTonyさんのソロアルバムがリリースされるって、XだったかなのTLに流れてきたので、早速予約してダウンロードした。アグレッシブな演奏は健在で、78歳の年齢を感じさせないプレーはカッコいいの一言。自分もベースを弾いていたので好きなベーシストたくさんいるけど、Tonyさんもその一人です。

 収録されているのは、以下の14曲。
 01 BRINGING IT DOWN TO THE BASS
  Drums: Manu Katche、Guitar: (solo) Dominic Miller、Keyboard: Pete Levin、Trumpet: Chris Pasin、Alto sax: (solo) Alex Foster、Baritone sax: Jay Collins、Bass: TL
 Tonyさんのベースパターンで始まる曲、ちょっと、レゲエっぽい(ホーンの入り方はレゲエっぽい)けど、これレゲエじゃないよね。Manuさんのタイトで、ちょっと不思議な変拍子っぽい(変拍子じゃないよ)ドラムがカッコいい曲です。ショートバージョンでカワイイアニメーションのMVがYOUTUBEに公開されているので、観てみてね。

 02  ME AND MY AXE
 Drums: Jerry Marotta、Guitar: Steve Hunter、Keyboards: Larry Fast, Pete Levin、Bass: TL
 スローなバラードですね。ちょっとファズのかかったベースで弾くテーマがカッコいい。

 03. ROAD DOGS
 Drums: Jeremy Stacey、Keyboard: Pete Levin、Bridge rhythm touch guitar: Markus Reuter、Bass, Cello, Stick, Vox: TL
 一転、ゴリゴリのロック。stickのパターンがカッコいいし、ベースのテーマメロディもカッコいい(美しい)です。

 04 UNCLE FUNKSTER
 Drums: Vinnie Colaiuta、Stick: TL
 ドラムスのVinnieさんとのStickによるデュオ、変態ドラマーと変態ベーシストの対決ですな。それにしてもカッコよすぎる、もうすぐ80歳。

 05 BOSTON ROCKS
 Drums: Mike Portnoy、Guitar: Earl Slick、Keyboard: Gary Husband、Stick, Vox: TL
 静かなポリリズムのフレーズで始まる曲、で、一転、激しいビートの嵐、ちょっとクリムゾンぽい曲です。Earlさんのアグレッシブなギターソロがカッコいい。

 06 ESPRESSOVILLE
 Drums: Steve Gadd、Guitar: Joe Caro、Keyboard: Pete Levin、Bass: TL、Trumpet: Josh Shpak、Trumpet: Chris Pasin、Trombone: Don Mikkelsen
 Gaddさん、Tonyさんのルームメイトだったんですねぇ、今回、Tonyさんのこといろいろとググって初めて知りました。
 5分弱の曲だけど、ロックで、フュージョンで、プログレな曲です。Tonyさんのフレットレスベースソロがカッコいいし、Joeさんのギターソロもカッコいい。

 07 GIVE THE CELLO SOME
 Drums: Jerry Marotta、Organ: Pete Levin、NS Cello, Bass, Vox: TL
 Peter Gabrielさんのバンドで一緒のJerryさんがドラムを叩く、ロックな曲。お兄さんのPeteさんのオルガンもカッコいい。ギターみたいな音は、エレクトリックチェロなのかな?

 08 SIDE B / TURN IT OVER
 Vox and bass: TL
 KING CRIMSONのThree Of A Perfect PairのCDにオマケで入っているThe Other Side The King Crimson Barber Shop / ザ・キング・クリムゾン・バーバー・ショップみたいな感じのボーカル主体(アカペラ)の曲です。

 09 BEYOND THE BASS CLEF
 Violin: L. Shankar (Shenkar)、Keyboards: Gary Husband、Oboe, English horn: Colin Gatwood、Stick, Cello, Bass: TL
 ちょっと、環境音楽っぽい、不思議な雰囲気の曲。Shenkarさんのバイオリンがちょっと、インド音楽っぽさを醸し出してます。Vinnieさんといい、Shankarさんといい、ちょっとZAPPA師匠に関係する方が参加しているのは嬉しいですね。

 10 BUNGIE BASS
 Drums: Pat Mastelotto、Guitar: David Torn、NS Bass, Cello: TL
 クリムゾンで一緒のドラマーPatさん参加の曲。Patさんのパーカッションのようなドラムはクリムゾン時代を彷彿させますね。

 11 FIRE CROSS THE SKY
 Stick, Vox: TL
 Stickの弾き語りですね...って、Stickで弾き語るやついるんやね。

 12 FLOATING IN DARK WATERS
 Soundscape: Robert Fripp、Percussion: Jerry Marotta、Steinberger bass: TL
 フレットレズベースが印象的な曲、Fripp翁がサウンドスケープを担当してます。

 13 ON THE DRUMS
 Vox: TL
 これは、正真正銘のアカペラです。Tonyさん、歌上手だし、歌うの好きなんだよね、きっと。歌詞、なんか意味があるのかと思ったら、ご自身が共演したことがあるであろうドラマーの名前の連呼でしたね。自分が把握できたドラマーはこんな感じ、Jerry Marotta、Omar Hakim、Nick Mason、Alan White、Peter Erskine、Andy Newmark、Steve Gadd、Steve Smith、Steve Ferrone、Chad Wakerman、Steve  Jordan、Terry Bozio、Phil Collins、Bill Bruford、あとは聴き取れなかった...MVで確認できるので観てみてね(2024/10/6追記)

 14 CODA
 Cello: Linnea Olsson, & Bess Brydolf (in utero)、NS Bass, Piano: TL
 チェロとベースのアンサンブルがカッコいい、アルバムの最後を飾るのにふさわしい曲です。

 とにかくバラエティに富んだ、そしてカッコいい曲のたくさん詰まった1枚です。