虐殺器官2017/03/13 07:04

 やっぱり、読んでから観るんだった...。

 先日観た映画「虐殺器官 / GENOCIDAL ORGAN」の原作小説、映画を観てて繋がらなかった部分が、やっと、この小説読んで繋がった。結末が分かってても映画は十分楽しめる。というか、はしょってある分、読んでおかないと、付いていけないところ、「?」って感じる部分があると思う。でも、脚本家の村瀬修功さん、苦労されたと思う、いかにそぎ落として、かつ、この小説の面白さを損なわないようにするかってところ。
虐殺器官
 で、こちらの小説の方は、「面白い」の一言に尽きる。ん~、もっと前から知っていたらなぁ...。他の伊藤計劃さんの小説も読んでみようとマジで思う。
 あらすじは、映画のときに書いたので...ところで、映画と小説の大きな違いは、主人公のシェパード大尉の母親とのエピソードが映画では語られていないこと、小さいことで言うと、インドでのジョン・ポールの移送が映画ではヘリコプターで、小説では列車だってこと、ジョン・ポールを殺害するのが違うってことかな。あと、映画では、後日談が描かれて無いな。
 それにしても、ホント、面白かった。34歳の若さでなくなられた伊藤さん、残された作品は3.5作(4作目の「屍者の帝国」は冒頭の30枚しか書いてない)、日本は、惜しい才能を失ったな...。

 残りの作品も読み終わったら、残りの映画も観てみよう。

 ところで、現実世界で起こっている紛争もこの小説のキモとあまり変わらないかも知れないなぁ...そもそも、武器と兵器を製造販売するビジネスマンがいて、それを消費する紛争地の軍隊=顧客がいるから経済が回っているって考え方もできるもんね。その経済活動で生み出されたお金が、回りまわって自分のところに来ている可能性もあるもんね。てことは、われわれの謳歌している平和な世界は、紛争地の死者の上に成り立っているって事なのかもしれない...ね、この小説のキモとおんなじでしょ...。