屍者の帝国2017/08/31 07:05

 「虐殺器官」の伊藤計劃さんの遺作、「屍者の帝国」を読んだ。

 死者をよみがえらせて、軍隊や召使として活用する世界を描いた作品。残念ながら、「The Indifference Engine 」に掲載されている前半のエピローグ部分しか伊藤さんの原稿はなく、伊藤さんのプロットを元に友人の円城塔さんが仕上げた作品。いろんな人が書評で書いているように作風が違うので、自分も伊藤さんの部分はすんなり読めましたが、円城さんの部分は少し読みづらかったですね。とはいえ、面白い作品でした。屍者(この作品ではこう描かれているので、以降はこれで)を蘇らせるといえば、「フランケンシュタイン」が有名ですね、そのフランケンシュタイン博士の技術を使って屍者を軍隊や召使に活用する世界。そして舞台は19世紀、日本で言えば明治時代。実在の小説に登場する人物や実在の人物がたくさん出てきます、「シャーロック・ホームズ」のワトソン博士、「ドラキュラ」のヴァンヘルシング、「カラマーゾフの兄弟」のカラマーゾフ、「進化論」のダーウィンもでてきます、そして、ワトソン博士の所属する機関は、「007」のMI6の設定。そして、英国、ロシア、アフガニスタン、日本、アメリカと世界中を舞台に物語が進行します。
屍者の帝国
 屍者の技術を戦略的に活用しようとする機関と、屍者の技術の本当の意味を知るフランケンシュタイン博士の生み出した最初の怪物「ザ・ワン」をめぐる冒険を描いた作品なのですが、今ひとつ自分には理解できない部分がありました。で、Wikiを読んだんだけど「あれ、そんな話だったっけかな?」って...ということで、もう一回読んでみようかな...。