猫城記2017/07/20 07:04

 中国のSFって、初めて読んだ。

 作者は、中国の老舎さん。ググったら、別にSF作家では無くて、「小説家、劇作家」って書いてあった。確かに、この本も、SFの体だけど、内容的には、阿片戦争当時(1840年頃)の中国を風刺した小説でした。ちなみに、老舎さんは1899年生まれだからその当時のことを体験したわけではありませんよね。
猫城記
 主人公が、飛行機(宇宙船とかロケットじゃないのは何でだろう?)で火星に到着したら、猫人の星だったという話で(猿の惑星みたいですな)、その猫の主食が外国人が持ってきた中毒性のある「迷葉」という葉っぱ。猫人が中国人、外国人が英国人、「迷葉」が阿片てことですね。
 いろんな書評を見たら「ディストピア小説」って書いてあるんで、ググったら「ディストピア」って「ユートピア(理想郷)」の正反対の世界のことなんですね(自分、知らなかった...)で、そう言うだけあって、読み進めると、だんだんいたたまれない気持ちになって、読み終わってもなんか、モヤモヤした感覚の残る小説でした。

 この小説、以前、キティさんのサンリオのサンリオSF文庫で発刊されていたそうです。SF好きの友人が言うには、玄人向けの作品を多く出版していたマニア向けの文庫だったそうで、廃刊後、出版されていない作品もあって、古本流通で1万円の値がつく作品もあるそうです。てことで、Amazonで調べたら、この作品も、3,400円から16,281円までの価格がついてました。ちなみに、この文庫を解説したこんな本もありました。ん~、マニアックだ...。