第100回全国高校ラグビー決勝 ― 2021/01/10 19:39
第100回の記念すべき大会、本来なら観客も入れて大々的に行われるはずだったと思うんですけどね...残念ながらコロナウイルスの影響で無観客での開催となりました。節目ってこともあるけど、いろんな意味で記憶に残る大会になったような気がします。で、その大会の決勝、初優勝を狙う京都成章高校と連覇を狙う桐蔭学園高校の対戦となりました。
序盤から両校ともバンバン体を当ててきます。特にピラニアタックルと名づけられた京都成章高校のタックルは凄いの一言でしたね。相手の人数を如何に減らして、自軍のプレイヤーをあまらせていくかがゲームの鍵になるスポーツなので、本来であれば1対1で仕留めたいのですが、あえて、ダブルで相手ボールの動きを封じて、リスクを運動量と選手同士の信頼感で埋めていくとう戦略をとった京都成章高校、その希薄あふれるプレーは感動すら覚えました。
一方、桐蔭学園高校はチームとしてのプレーはもちろんのこと個人技が凄かったですね。前半16分の桐蔭学園高校の自陣からの攻撃は凄かった、これまで、高校ラグビーでは、使っちゃいけないと指導されていたオフロードパスの連続。実況の方がコロナウイルスでチームでの練習が出来ない間、個人のスキルを磨いていたっていってたけど、そのスキル、さすが決勝に来るだけあって、高校生といってもとても高いものでした。そういう意味でも桐蔭学園高校には目立つプレイヤーが多かったですね。前半、最初のトライをあげたロックの青木選手のパワフルなプレーは凄かった、相手チームの選手3人のディフェンスを退けてのトライ見応えありました。あと、1年生ながらフルバックでスタメン出場の矢崎選手はこれからが楽しみな選手ですね、前半20分頃の独走のラン凄かったなぁ。それ以外にも、要所で思わず「マジかっ」って言うようなプレーを見せてくれてました。あと、No.8でキャプテンの佐藤選手も目立ってましたね。
で、試合のほうは前半は五分でしたね。とにかく、両校ともプレーのスピードが速い。タックル後のリロードも早いし、ディフェンスから攻撃の切り返したときのスピードもこれが高校生?って思うほどのプレーでした。
ということで、ペナルティ、トライとコンバージョン1本ずつの10対10で折り返しました。
それにしても、両校ともタックルからの切り返しが凄い、この試合で引退される加藤レフリーのアドバンテージの取り方も良かったと思いますが、それぞれのミスを自軍のチャンスに変えるという場面が何度も見られました。ゲームがぶつ切れにならなかったこともゲームを面白くした要因になってたと思います。
後半は、そういった攻守の切り返しのときの小さなミスをものにした桐蔭学園高校が有利に試合を進めてました。後半1本目のトライも、京都成章高校が切り返したあとのパスミスをついて桐蔭学園高校がものにしたトライでした。この後の桐蔭学園高校の2本目のトライの攻撃も凄かったですね、ロックの青木選手の当たり凄すぎでしょ。ここから、桐蔭学園高校の動きが俄然良くなりました、京都成章高校もタックル行ってるけど、逆に押し込まれてましたからね。後半10分頃の桐蔭学園高校の攻撃は凄くて、タックルに入っている京都成章高校がジリジリと下がっていくっていう展開でしたからね。京都成章高校も桐蔭学園高校のゴール前まで攻め込んだんだけど、最後の最後でNo.8の佐藤選手にラックのボールをもぎられて逆にピンチになってしまいました。とにかく後半は、桐蔭の試合でした。
とはいえ、京都成章高校の193cm、100kg越えのロックの本橋選手のロスタイムでの意地のトライも良かったですね。
15対32、解説の大畑さんも言ってましたが、本当に僅差の試合だったと思います。ミスをものに出来た桐蔭学園高校とできなかった京都成章高校っていう試合でしたね。でも、それも、どっちに転んでもおかしくなかったと思います。
この試合で活躍した選手達が次のステージでどんな活躍をするのか、とっても楽しみです。
ホント、高校生もすごいな。