リポビタンDチャレンジカップ2016 JAPAN vs ARGENTINA ― 2016/11/06 07:02
秩父宮に行って来た。
銀座線外苑前駅から秩父宮ラグビー場までの道に、この日の試合の幟が立ってました。
秩父宮の正門のアーチにも「リポビタンDチャレンジカップ2016」の看板、これ、盛り上がりますねぇ。
JAPAN vs ARGENTINA、ARGENTINAは昨年のワールドカップでBEST4、かつては、JAPANと同様に勝てないチームだったのに、確実な強化策で、徐々に実力をつけてきて、いまや強豪チームになってます。
一方、JAPANは、約10ヶ月あまりのヘッドコーチ不在で実質、国代表としての強化が無いままで今回のウインドウマンスを迎えています。さらには、昨年のワールドカップのチームから引退や辞退もあり、この試合でも、23人のメンバー中、13人がノンキャップ選手。本来であれば、万全の体制で迎えたかったところなんじゃぁ無いかと思います。
とはいえ、代表として選ばれた選手たち、桜のジャージに誇りを持って戦って欲しいですね。
巨大な桜の代表旗を先頭に選手が、入ってきました。やっぱり、緊張しますねぇ。ところで、最近、気になることがあるのですが、両国国歌斉唱のときって、起立で脱帽は当たり前だと思うんだけどね...意外に、立たなかったり、帽子を取らない人がいるんだよね...この間の三ツ沢のときもそう思ったんだよなぁ。相手国に対しても失礼だよな...。
準備期間がなかったにもかかわらず、JAPAN検討したんですけどね...、やっぱり、以前から続いている強化策に加え、昨年のワールドカップに続いて、Jaguaresとしてスーパーラグビーへの参加、そして、南半球の4ヶ国でおこなわれた国代表戦のチャンピオンシップを経て、このウインドウマンスに対峙しているARGENTNAとチームとしての仕上がりが明らかに違いました。
ディフェンスは固くて、1人目のタックルで確実にJAPANのアタックを止めてました。いっぽう、JAPANのタックルは、2人目もはじかれてしまったり、当たる際に微妙にずらされて、効果的なタックルになっていなくて、ボールを繋がれたり、明らかに差がありました。体を張っているのは見て取れるのですが、明らかに、大きな体格の選手と戦うのに効果的なディフェンスとはなってませんでした。
アタックも、JAPANもすばやい攻撃で、ARGENTINAゴール前まで迫るのですが、ARGENTINAのディフェンスを崩すことはなかなか出来ませんでした。どちらかというと、組織で崩していくというより、個人技に頼っている感じでしたね。目立っていたのは、花園大学コンビのNo.8のアマナキ選手とセンターのアマナキ選手、フルバックの松島選手、ウイングの山田選手かな...よくよく考えると、バックスは何とか戦えてたけど、フォワードが力負けしてたって感じかな?
本来であれば、目立って欲しい両ロック、とバックローの3人なんだけど、上に上げたアマナキ選手くらいかな...後は、仕事をきっちりしていたんでしょうけど、目だってなかったですね。フロントローの3人は、要所でアタックやディフェンスで目立ってたんですけどね。ロックが体を張って、ボールを獲得していかないと...そういう意味で、昨年のワールドカップでの大野選手やトンプソン選手のようなプレーが、外国人相手にも出来る選手が欲しいですよね。梶川選手、アニセ・サムエラ選手、谷田部選手、頑張ってはいたんだけど、もう少しって感じてしまいました。特にARGENTINAは、体の大きいフォワードでガツガツ来るチームなので、そこをきっちりと止められないと厳しいですよね。
一方、ARGENTINAはアタックもチームとしてしっかり形になってました。近場をフォワードがパワーで、バックスがスピードで突いて裏に出て、後は、スピードのあるバックスが、確実なフォローをしながら相手ゴールに迫るというパターンが何度も観られました。フルバックの松島選手が1対2とか、1対3という局面になることが何度とあって、隣の友人と「一人でそれは無理でしょ」って思わず口に出ちゃってました。
総合的に観るとホント、得点通りに完敗ですね。それでも、いくつかタックルミスはあったものの、全員に体を張る意識が見られたことと、先にあげた選手のように、個人技でチームを引っ張れる選手が以前に比べて多くなったことが今後に繋がるんじゃないかな。
最後にトライをあげたレメキ選手の、セブンズ仕込の止まった状態から、一気にトップスピードに持っていくランのスキルはJAPANにとって凄い武器になると思います。
怪我から復帰して久しぶりの山田選手、やっぱり、彼のランはいいですね。特にキックオフのボールのチェイスは凄かったです。前半のARGENTINAのNo.8イサ選手に刺さったタックルなんてしびれました。これで、山田選手の止めたボールに2人目が絡めれば、効果的な攻撃になりますよね。もちろん、相変わらずのキレのあるステップも健在、もっと、スペースのあるところで、彼を走らせたいですね。
松島選手のフルバックもいいですね。体のサイズを感じさせない安定したプレーで、ディフェンス、アタックともにいいプレーを見せていました。先に書いたように、昨日は、1対1の局面がほとんどなく見せ場がなくて、ちょっと、可愛そうでしたけどね。
二人のアマナキ選手は、人に強いのが魅力です。彼が持つと、見方が来るまで一人でも頑張れるので、ボールをキープするという意味では、アドバンテージがあります。
田村選手、立川選手は、SUNWOLVESで一皮向けたと思います。この二人は安定していて、いいですね。しいて言えば、田村選手のキック、もう少し伸びるといいと思います。この日も、あともう少し伸びていれば、相手を背走させられてチャンスができたと思うところが何度かあったので、もう一歩のスキルアップを期待したいです。
フォワードは、体の大きな相手にどう立ち向かうかというところで、修正が必要ですね。でも、セットプレーのラインアウトもスクラムも、引けをとってませんでしたからね、スクラムは何度か押し込まれてしまったことがありましたが、そこそこ、互角に戦えていたんじゃぁ無いでしょうか?タックルとボールへの働きかけのところの精度を上げられれば、もっと良くなるんじゃないかと思う。
20対54、JAPANが2トライ、ARGENTINAが7トライ、まぁ、完敗ですね。でも、試合後のインタビューで、あの厳しい田中選手が、経験の無いJAPANだけど、気合の入り方がこれまでのチームと違うと言っていたので、このウインドウマンスでワンアップしてくれるんじゃないかな、欧州での3試合(GEORGIA、WALES、FIJI)期待しています。
友人の取ってくれた席、前から3列目ほぼ中央、いい席で見られて良かった。それにしても、10,000円のチケット代、ちょっと、高いかなぁ...。